インプラント治療で顎の骨が足りない場合の骨造成法とは
- コラム
こんにちは。
市川市にある歯医者【上田歯科医院】です。
歯を失った際の治療法として、インプラントは多くの利点がある治療方法ですが、インプラントを顎の骨に固定するためには、顎の骨の厚さが必要です。
しかしながら、年齢の増加や歯周病などの要因で、顎の骨が減少している人も多く存在します。
したがって、インプラント治療を望んでも、現状では顎の骨の厚さが不足しており、治療が難しい場合があります。
こうした状況に対処するために、インプラント治療を可能にするための骨造成法が存在しますので、今回は解説いたします。
歯を失う原因1位が歯周病
歯周病は、歯を失う主要な原因の一つであり、成人の約70%以上の方が歯周病になっていると言われています。
歯周病が進行すると、歯肉の炎症だけでなく、顎の骨にも炎症が及び、徐々に顎の骨が溶けてしまう事があります。
この状態になると、歯の支えが無くなってしまい、歯がグラグラしたり、抜け落ちてしまったりすることもあります。
加齢でも少しずつ顎の骨が減ってしまう事はありますが、歯周病で歯を失った方は、顎の骨も少なくなっていることが多く、インプラント治療が難しい場合があります。
こうした状況に対処するために、顎の骨の厚さや量を再生する為の骨造成法が行われることがあります。
骨造成法について
歯が長期的無い状態が続いていたり、歯周病が進行した状態で放置をしていると、顎の骨が減少します。
顎の骨はインプラントを支える土台の役割を果たすため、充分にあることが大切です。
そのため、インプラント治療をするために、顎の骨が不足している状態では、治療が行えません。
骨が再生されるように促す『骨造成法』を実施し、顎の骨量を十分に回復させた後、インプラント治療を開始します。
骨造成の種類
GBR法
GBR法、または骨再生誘導法としても知られています。これは、歯周病などにより顎の骨の高さや密度が不足している場合に行われる治療方法です。
GBR法では、歯ぐきを切開し、骨不足の部位に骨充填材や自家骨を挿入して、新しい骨の形成を促します。
この治療法には、インプラント手術の前にGBR法を実施し、骨が適切に再生された後にインプラントを埋め込む方法と、GBR法とインプラント手術を同時に行う方法があります。
骨の状態を確認して、どちらが良いかを歯科医師が判断します。
サイナスリフト
サイナスリフトとは、上顎の骨が不足しており、広範囲にわたる場合に適用される治療法です。
歯科医院によって、適用範囲にわずかな違いがあるかもしれませんが、通常、8ミリ以下の骨の高さの不足に対して行われます。
この方法では、上顎洞の底部に骨充填材を挿入して、骨の高さを増やすために頬側から上顎洞を持ち上げるプロセスが含まれます。
ソケットリフト
ソケットリフトは、サイナスリフトよりも顎の骨が豊富な場合に適用されます。
通常、顎の骨が8ミリ以上ある場合に使用されます。
骨を増やす量は比較的少なく、インプラント手術と同時に行われることもあります。
この場合、インプラントを埋め込むために開けた穴から上顎洞の底を持ち上げ、その部分に骨充填剤などを挿入して、骨再生を促していきます。