老後の快適な生活を過ごすためのインプラントについて
- コラム
「毎日食事を楽しむこと」は当たり前のように思えますが、歯を失ったり、合わない入れ歯を使い続けたりすることで、しっかりと噛むことができずに食事が楽しめない場合があります。
インプラント治療を受けることで、天然歯と同じようにしっかりと噛むことができるようになりますが、老後になってからインプラントをする場合、どのようなメリット・デメリットがあるのかご紹介いたします。
老後について
人生100年時代と言われる現代、年齢を重ねるごとに身体には変化が現れます。
老後を迎える年代になると、以下のような変化が起こる可能性があります。
- 自分の歯を失いやすくなる
- 口元の老化が気になる
- 口内の状況が悪化し、食べにくいものが増える
- 認知症のリスクが高まる
これらの変化が必ずしもすべて起こるわけではありませんが、年齢を重ねるとその可能性が高まります。
むし歯や歯周病が進行すると、最終的に歯を失うこともあります。その結果、歯が少なくなり、口元が老け込むこともあります。また、噛むことが難しくなり、食事の制限を余儀なくされることもあります。
十分な咀嚼ができないと、消化に支障をきたす可能性があり、脳への刺激も不足し、認知症のリスクが高まると考えられています。
インプラントと入れ歯の比較
歯を失った時の治療の選択肢として、よく選ばれるのが「インプラント」と「入れ歯」です。
それぞれの特徴を比較してみましょう。
噛む力
インプラントと入れ歯を比較すると、圧倒的に異なるのが「噛む力」です。
インプラントは天然歯とほぼ同等の噛む力を保持しますが、入れ歯の場合はその半分程度とも言われます。
これは、インプラントがあごの骨にしっかりと定着して支えられるからです。
一方、入れ歯は粘膜に依存しており、粘膜の状態によって安定感が変わるため、噛む力が不安定になることがあります。
天然歯と同じ感覚で味わえる
入れ歯の場合、歯ぐきと入れ歯の間に食べ物が挟まって不快感が生じたり、温度の感覚が鈍くなったりして、食事が不便に感じることがあります。
一方、インプラントは粘膜を覆う必要がないため、天然歯と同じ感覚で食事を楽しむことができます。
誤嚥性肺炎の予防
入れ歯の場合、汚れが残ったり清掃が不十分だと細菌が繁殖しやすくなり、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。
インプラントも汚れの管理が必要ですが、入れ歯のように口内と入れ歯の清掃をする必要がないため、誤嚥性肺炎のリスクが低いと言われています。
老後のインプラントの注意点
毎日のセルフケアが欠かせない
インプラントと歯ぐきの境目に汚れが溜まると「インプラント周囲炎」が起こります。
インプラント周囲炎は、汚れが原因で歯ぐきの炎症を引き起こし、進行するとあごの骨を溶かしてしまう深刻な病気です。
しかし、自覚症状が少ないため、気づかずに進行してしまうこともあります。
そのため、毎日のセルフケアが重要です。
口内の清潔さを保ち、インプラントの寿命を延ばしましょう。
あごの骨が不足している場合、骨移植や骨造成が必要になることがある
年齢を重ねると、歯やインプラントを支えるあごの骨が歯周病や加齢によって減少することがあります。
あごの骨が不十分な場合、インプラント手術を行うことが難しくなります。
そのため、あごの骨が不足している場合には、骨造成手術などの治療が必要になる場合があります。