受け口(反対咬合)とは
- コラム
こんにちは。
市川市にある歯医者【上田歯科医院】です。
受け口(反対咬合)というのは、歯のかみ合わせが正しくない状態の一つで、奥歯で噛んだときに下顎の歯が上顎の歯よりも前に出ている状態を指します。通常、上顎の歯が下顎の歯よりも前に出ているのが正常なかみ合わせですが、日本人の場合、下顎の骨格が大きい人が多いため、上顎よりも下顎が前に出てしまい、受け口になりやすいと言われています。
受け口(反対咬合)は、一般的に3歳ごろから特徴が現れますが、乳児期の反対咬合は成長とともに自然に治癒することが多いです。そのため、直ちに治療が必要な場合はほとんどありません。しかし、永久歯が生えそろう13歳〜15歳の時期になっても反対咬合が残っている場合は、自然治癒する可能性が低くなりますので、注意が必要です。
受け口の理想的な治療開始時期は、永久歯への生え変わりが始まる8〜9歳ごろです。この時期に治療を始めることで、第一期矯正治療だけで効果を得られる可能性が高まります。しかし、思春期になり下顎が成長すると、再び反対咬合が発生する可能性もあります。その場合は、中学生以降に第二期治療を行ったり、下顎の過剰な成長を抑制するために外科手術を行うこともあります。ですので、受け口の治療には焦らず、長期的な経過観察が重要です。
受け口のデメリット
受け口を放置すると、口の中のトラブルだけでなく、健康にもさまざまな影響を与える可能性があります。以下では、受け口の主なデメリットについて詳しく見ていきましょう。
咀嚼がしにくい
受け口を放置すると、噛み合わせにも影響を及ぼします。正しく咀嚼できないことから、唾液の分泌量が低下してしまい、満腹感を感じにくくなることがあります。その結果、食べ過ぎや消化不良などが引き起こされる可能性があります。
発音に影響が出る
受け口の場合、舌の位置が通常よりも前方に出てしまうことが多いため、言葉の発音に影響が出ます。特にサ行やタ行、ダ行の発音がうまくできず、舌足らずな発音になることがあります。この影響は日本語だけでなく、英語の発音にも及ぶとされています。
顔の印象が変わる
受け口の場合、下顎が前に突き出ているため、顎が目立ってしまい、いわゆる「しゃくれ顔」のような外見になることがあります。この外見の変化が、自身の容姿にコンプレックスを感じる人もいます。
顎関節症や体の歪みの原因に
受け口によって噛み合わせが悪くなると、顎の骨に過度の負担がかかります。この状態を放置すると、顎関節症と呼ばれる症状が悪化する可能性があります。顎関節症では、口を開けた時にカクカクと音がしたり、痛みを感じることがあります。また、噛み合わせの悪さは口腔内だけでなく、頭部や首、背骨、腰などの姿勢にも影響を与えることがあります。その結果、頭痛や肩こり、腰痛などの症状が現れることがあります。さらに、血行不良が引き起こされ、自律神経にも影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
子供の受け口に対しての矯正治療
子供の受け口は、上下の歯が適切に噛み合わない状態や、下顎の前歯が上顎よりも前に出ている状態などを指します。このような状態を改善するためには、矯正治療が行われます。特に、永久歯が生えそろう前の子供に対しては、ムーシールドと呼ばれる装置が使用されることがあります。ムーシールドは就寝時に専用のマウスピースを装着する治療法で、乳歯の段階から使用することで、顎の成長を正常に導くことができます。
大人の受け口に対しての矯正治療
子供の受け口を治療する方法は、顎の大きさを調整する手術や歯を抜くことなしに可能な場合もあります。しかし、成長が終わった大人の場合は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正を使って前歯の位置を調整していきます。受け口が重度の場合には、外科手術で顎の骨を削るなどの処置が必要になることもあります。そのため、受け口は早めに見つけて治療を始めるのが理想的です。
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